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2019-07-21

ひとり、海で遭難しているよう……

ただでさえひどいアトピーなのに、そのうえヘルペスになってどん底の状態のとき、母がどうしても出張に行かなくてはいけないことがあり、わたしの精神的支柱であった母が一晩いないということは、わたしにとってほんとうに心細いものでした。あの夜のことをわたしは今でも覚えています。布団の上にどうにか横になったものの、暗闇の中でずっと体をかきながら、小舟に乗ってひとり大海原で遭難しているような気持ちで夜を明かしました。

ひどいのは自分の見た目だけではありませんでした。わたしの肌は、ちょっとかくだけで剥け落ちるので、小さな皮膚のかけらがとめどなく床に落ちます。わたしの行くところ行くところ白い粉で床が汚れるのです。かといって、かくことを我慢することもできません。その汚れた床を見るのがほんとうにつらかった。人にもいやな思いをさせたくないし、よけいな掃除をさせたくなくて、そのことが、わたしに自分の部屋から出ることを躊躇させました。もちろん家族は気にしませんが、自分がいやなのです。

あの日々のなかで、もしも、ちょっとでも希望をもつという可能性があったとして、いったいわたしにどんな希望が持てたでしょう。元気になったいま考えても、たった一つの例さえ思いつくことができません。

あのときのことを思うと、いまこうして健康な肌でいられること、ときにはきれいな肌と言われることもあるほど普通の状態に戻れたことが、自分でも奇跡のようだと思います。と同時に、細胞は毎日生まれ変わっているのだから、どんなにひどい状態からでも復活できるはずだ、という強い思いも抱いています。いま苦しんでいる方がもしこれを読んでいらしたら、どうか希望をもっていてほしい。いまどんなに苦しくて、以前のわたしのように絶望していても、きっと治ると信じていてほしいです。そんなこと無理、と思われるかもしれないし、その気持ちも痛いほどわかります。ただ、ただ、あきらめないでほしいのです。どうか、お願いします。

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